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2007.1.1

★あけましておめでとうございます
 まさに2007年が始まる瞬間、私は何をしていたかというと。

娘の使っているノートパソコンにVine Linuxをインストールしてました(^_^;)。

 実は娘は今、わしが前につかっていたLOOX S8(どんなふうに使っていたかは「LOOX S8をいびつに使う」を参照)を使わせていた。
 わしが使っていた時はLinuxで使っていたのだが、いろいろあって昨年まではWindowsXP入れて使っていた。
 この機械はCPUはCrusoeだわ、メモリは112Mしかないわ、というとてもじゃないがWindowsXPを動かせる機械ではないのである。それでも我慢してXPで使っていた娘が「えーい我慢なら〜ん」と言うので「じゃあLinux使え。Windowsよりは速く動くから」つーことでインストールしましょ、ということになった。

 せっかくだからVIneの4.0を入れたんだけど、gnome使うとLinuxでも少し重いな。WindowMakerを使うようにも設定したけど、あとどう使うかは娘任せである。
 さて娘はちゃんとLinux使いこなすでしょうか。もっとも、gimpで絵書いてmozilla composerでホームページ書いて、後はエディタで文章ごちょごちょ書いているだけだから、WindowsだろうがLinuxだろうがあまり変わらないかもしれない。

2007.1.9

★今日の更新
 ついつい更新を怠けていたところ、こんなメールがやってきた。

友達に紹介されて、「いろもの物理Tips集」の「重い物体も軽い物体も同時に落ちるって本当?」を拝見しました。

面白いですね、こういう条件を絞って問題を突き詰めるようなのは好きですw
それで、気付いた事がありメールしました!


「物体を落とす」とここでは記されていますが、この“物体”は宇宙の彼方からの落下物でないと「重いものほど速く落ちる!」という考えは成り立たないのではないでしょうか?


地上の物体を持ち上げたのであれば、Mも変化してしまいますよね。

計算の結果の

(d^2r/dt^2)=G(M+m)/r^2

という式における(M+m)は、“物体を含めた、もともとの地球全体の質量”に他ならないと思うのですが・・・?


 えーーーっっと。


(かんがえちゅう)

(かんがえちゅう)

(かんがえちゅう)

 ほんとだ、こりゃわしが間違っている。つまり、地上にある物体を持ち上げて落とす、というシチュエーションにおいては、「重い物体も軽い物体も、やっぱり一緒に落ちる!」ということになるではないか!!!

 以上については、「重い物体も軽い物体も同時に落ちるって本当?」の補足に説明を追加しておいた。

 なお、このメールをくれたのは、物理学科を目指して目下受験勉強中の花光さんである。

 うーむ。実になんというか、末頼もしい。
と、同時に、情けないぞおまえ。自分で気づけよ>わし


★もう一個更新
 P8210をもっといびつに使うのLinux編に、colortimerというシェルスクリプトに関する説明を加えた。前にはC++のソースだったのだけど、シェルスクリプトの方が書き換える時に楽かな、と思って。

2007.1.11

★今日の更新
 量子力学の講義録、第11回。今日は前回の話の補足を、調和振動子の波動関数のアニメーション見せながらやってたら半分の時間をつかってしまったので、あまり進んでない。今回は(前に予告したように)調和振動子の波動関数のアニメーションを作り直して行った。
 n=0(基底状態)からn=10(第十励起状態)までの波動関数を重ね合わせたアニメーションを見ることができる。エネルギー固有状態(定常状態)だと全く確率密度は動かないのだが、適当に重ね合わせると、確率密度が右へ左へと振動するところがわかり、「なるほど、これは確かに調和振動子の量子力学だ」と実感できる。
 それにしてもコンピュータ、というか映像の威力ってすごいよな(ものすごく不遜なことを言わせてもらうけど「わしもこんな授業受けたかった」)。

 実は学生の頃、調和振動子の波動関数の基底状態(零点振動の状態)を見て「なんで振り子運動の方程式解いたのに、真ん中にいる確率が一番でかくなるのだ??」と不思議でしょうがなかったのだが、こうやっていろんなエネルギーの状態を重ね合わせた波動関数の動きを見ていると「なるほど、こうして違うエネルギー状態を重ね合わせるということをしないと“古典力学的運動”は起きないのだな」ということが納得できてくる。

 よく「量子力学では、エネルギー最低でも物体は“動いている”。これを零点振動と言う」みたいな書き方がされている本があるのだが、あれは誤解の根になるだろう。実際には我々が“古典力学的運動”と捉えるのはエネルギー固有状態をいくつか重ねた結果としての波束の運動であって、零点振動の状態に「運動」という言葉を使うのはそもそも間違いなのである。
 もちろん、「運動量や位置の分散が0でない」ということを「動いている」と表現することは完全に間違いというわけではないが。。。。。

 人間どうしても古典力学的考え方から逃れられない。今日の学生さんの感想の中にも「あの波動関数の状態は現実の運動に対応しているのですか?」という質問があって、ちょっと苦笑いした。この学生さんの「現実」は明らかに経験に裏打ちされた「古典力学的現実」であるが、どっこい実際の「現実」は量子力学なのである。ずっと前の日記にも書いたが、この「古典力学という“母国語”の壁」を打ち破るところまではなかなかいけない。と、書いているわし自身、大学3年の時はそんな境地には達してなかった。ただ闇雲に微分方程式を解いたり交換関係計算したりしていただけである。

★重いものほど速く落ちる??
 という話について、AXIONさんからメールが来た。

「地上にある物体を持ち上げて落とす」というシチュエーションの場合、持ち上げる(地球から切り離す)エネルギーは重い物体の方が余計にかかる。そうすると、そのエネルギー分だけ相対論的に質量が減ったとして考えるべきではないでしょうか(まあ、落としたら、放射で外にエネルギーが出ない限り、また元に戻りますが)?

 おおっと。この話もともとが重箱の隅つつきなんですが、さらに深く、隅の隅をえぐるような指摘ですなぁ(そういうわけで、普通の感覚で物理を楽しむ方はこの問題に深入りする必要は、たぶんありません(^_^;))。
 なお、トータルの質量を考える場合は、おそらく何の変化もないでしょう。持ち上げたことによって位置エネルギーが増加するけど、その分だけ持ち上げた人のエネルギーが減っている(日常会話的言葉で言えば「腹が減っている」)ので。
 ニュートン力学的計算では、トータルの質量だけで落ちる時間が決まるということになっていたわけですが、さて一般相対論的に考えるとどうなるのかなぁ。ちょっと即答できかねる問題だ。

 なお、この話を聞いてもう一つ気になってしまったのは、地上から物を持ち上げると、その分、地表面の重力ポテンシャルが高くなる(というより、地球の重力井戸が浅くなると考えた方がわかりやすいか)という点。
 もともと、地表面の時間は遠方から見た時間に比べて遅くなっているわけだけど、重力井戸が浅くなればその時間遅れの度合いも小さくなり、持ち上げる前よりも実験者にとっての時間が速く進む(遠方の観測者が見た場合の話)。

 そうすると、重いものを持ち上げた時の方がよりこの効果が大きくなり、つまりやっぱり重いものの方が速く落ちる????

 いやまてこれもなかなか即答できかねる問題だぞ・・・・(ぶつぶつぶつぶつ)。

2007.1.15

★今日の更新
 波動論の講義録第12回。なんてこったもう12回か。予定ではこの後2次元や3次元の波の屈折やら散乱などいかなきゃいかんのだが、それはどう考えても無理(;_;)。

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