「自然科学のための数学I」の復習

微分方程式

微分というのは「関数」という「独立変数と従属変数の関係」から、「独立変数の微小変化と従属変数の微小変化」の関係を見ることだった。
「微分方程式を解く」とはその逆で、「独立変数の微小変化と従属変数の微小変化」から、「独立変数と従属変数の関係」という全体を知ることである。

${\mathrm dy\over \mathrm dx}={y\over x}$という微分方程式を考えてみよう。

 この式の意味するところは「グラフの傾き(下の図の水色の直角三角形の斜辺の傾き)と(y/x)(下の図の青色の直角三角形の斜辺の傾き)が等しい」である。

 よって${\mathrm dy\over \mathrm dx}={y\over x}$は、考えている線に対し、原点から自分のいる場所に引っ張った線と同じ方向に進め!と「線を伸ばすルール」を決めていることになる。

 この下にこの「線」を実際に引く図がある。

 次のグラフに描かれたは、その場所での傾きが1であること(つまりは今考えている関数のグラフはこの場所を水平に対して45度の方向に通過するということ)を表現している。

上のようなルールにしたがって線を引くとどのような関数になるか、だいたいわかると思うが、まず予想をした後で、「線引き開始」ボタンを押してみよう。


その他いろいろな関数についてやってみたい人は第1講に戻ってみよう。

 計算で答を出すのであれば、

${\mathrm dy\over \mathrm dx}={y\over x}$

から、まず変数分離して

${\mathrm dy\over y}={\mathrm dx\over x}$

としてから両辺を積分すると、

$\log y = \log x+C$

$y= A x$

となる(この場合図で考えるより計算する方がむしろ難しい!)。

と、こういう計算をどの程度皆さんが覚えているかと思っていろいろ質問してみたら夏休みで全部忘れた、という人があrまりに多かったのでショックを受けたところで今日の授業は終わりました。次回から微分方程式の考え方とその解き方についてじっくり考えていきましょう。


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