相対論のTips†
リクエストなどありましたらコメントください(ただし、答えることができるかどうはは保証できません)
- 質問ばかりですみません。相対論で有名なパラドックスとして、重力場中の静止電荷が電磁波を放射するか否かというのがあると聞きました。実験結果としては電磁波の放射はないとのことですが、そうなると引力と慣性が区別できてしまって都合が悪いのではないでしょうか? -- nob
- 昔一般相対論の大御所である内山龍雄先生から「電磁波が放射されるかどうかは曲率テンソルのあるなしに左右されるということがちゃんと計算できるから、問題ないんだ」という話を聞いたことがあります。曲率テンソルは重力場の場合にはあって、慣性による場合はありませんから、それで区別できるというのが本当なら問題ないと思います。また調べておきます。 -- 前野
- ありがとうございます。またまた質問で大変に恐縮なのですが、「実験室のブラックホール」を読ませて頂きました。もしこの説が正しかった場合、粒子の近傍では万有引力定数Gが10^16も大きいということだと思います。そうだとするとプランク距離とプランク時間は2乗根で10^8倍の大きさに修正されるのでしょうか? -- nob
- そういうことになります。そうなって、他の相互作用との強さの差が小さくなる、というのもこの話の御利益の一つです>nobさん -- 前野
- ありがとうございました! -- nob
- はじめまして.以下を相対性原理に基づくと言ってもよいものでしょうか?「重力ポテンシャル一定と見なせる局所空間範囲内では,光の伝播速度を観測者が測定すると普遍定数となる.」 -- kkondo
- 言っていいと思いますよ>kkondoさん -- 前野
- 物理法則普遍 --
- どうもありがとうございます.ところで「どの観測系でも物理法則が普遍に成立」を「相対性原理」と呼ぶのは日本語的に多少違和感... -- kkondo
- さて,「光の伝播速度は普遍定数」というのは,そのままでは回転系にはそぐわないような気がするのですが,差し支えないものでしょうか? -- kkondo
- 回転系では光速は変化しますが、回転系は慣性系ではないのでしかたないと思います。 -- 前野
- どうもありがとうございます。局所的経路の「A->B」と「B->A」の伝播時間の和を考えることにして、回転系でも光速が普遍定数と説明して良いものでしょうか? (SI系でも光速が定数になっているようです.) -- kkondo
- 弟を地球に残し、兄Aが西へ、兄Bが東へ飛び立ち、それぞれUターンして同時に帰ってきたとします。弟から見て兄Aと兄Bは同じ年齢になるのでしょうか。 -- yapoo
- (つづきです)兄Aと兄Bはお互いに亜光速で運動していますが、2人の兄の間にウラシマ効果は生じないのでしょうか。 -- yapoo
- その場合は兄Aと兄Bは同じ年齢です。対称的な運動してますから。兄Aから見ると兄Bの時間は同じようには進みませんが、兄が宇宙を一周する時、双子のパラドックスはどうなる?の中に書いたように、兄Aが折り返す(加速する)時に「座標系の乗り換え」による時間のジャンプがあって、戻ってきた時にちょうど同じ時間に戻ることになります。 -- 前野
- 質問させてください。光の質量に関するFAQを読みました。空間を曲げるのが運動量テンソルとのことですが、運動量は観察者によって変わると思います。光速に近くまで加速する観測者にとって、宇宙の総質量や歪みは変わって見えるのでしょうか?この観測者には星がブラックホールに代わって見えるのでしょうか?よろしくお願いします。 -- 中村
- ブラックホールになったりはしません。ある領域が、そこから光が出てくるか出てこないか(ブラックホールの内側か外側か)という条件が、観測者によって変わることなんてのはあるはずがない(相対論に反します)。 -- 前野
- 運動量はもちろん動く人から見れば変わりますが、その人がエネルギー運動量テンソルを使って時空がどう曲がるかを計算したとしたら、もともとの物体が曲げた時空が並進運動しているような時空になります(そうならなかったら、それは相対論とはいえない)。 -- 前野
- お返事ありがとうございます。では続けて質問させてください。ある系を考えたとき、そこからの物質、エネルギーの出入りが無ければ、その系の質量と、その系の作る重力場は一定であるという理解でよいでしょうか。 -- 中村
- 地球とその近傍を一つの系として考えたとき、地球上の水力発電所で電力を作り、その電力でレーザーを駆動してエネルギーを宇宙の果て(系の外)に捨てるとき、この系の質量は減る、すなわち水の位置エネルギーに質量がある、という理解でよいでしょうか。 -- 中村
- 位置エネルギーに質量があるならば、地球上にブランコがあって揺れているとき、ブランコの位置エネルギーと運動エネルギーが交換されています。系の全質量と重力場が一定であるという前提に立てば、ブランコの運動エネルギーも質量と重力場を持つ、という理解でよいでしょうか。 -- 中村
- ブランコの運動エネルギーが重力場を持つならば、星の運動エネルギーが重力場を持たない(星の重力場が速度差を持つ観測者によって変わって見えない)のはなぜでしょうか。 -- 中村
- ある系を考えたとき、そこからの物質、エネルギーの出入りが無ければ、その系の質量と、その系の作る重力場は一定である←違います。たとえば出入りがなくても、球体だった物体が楕円体になったら重力場は変わる。 -- 前野
- 地球上の水力発電所で電力を作り、その電力でレーザーを駆動してエネルギーを宇宙の果て(系の外)に捨てるとき、この系の質量は減る←減ります。 -- 前野
- 星の運動エネルギーが重力場を持たない(星の重力場が速度差を持つ観測者によって変わって見えない)←勘違いしているようですが、星の運動エネルギーがあるぶん、外にできる重力場は変わります(上でも、変わらないとは言ってません)。ただその変化は「ブラックホールになるかならないか」という変化を起こすことはないと言ってます。 -- 前野
- 物体が運動している場合の重力場は、物体が運動していることによる運動量やエネルギーも加味して解く必要があるのは当たり前です。ですから星が静止している座標系と運動している座標系では曲がり具合は当然違います。ですがその違いは「運動している人から見るとブラックホールに見える」なんてことにはなりません。 -- 前野
- ということを言ったのであって「運動している系から見ても重力は同じ」なんてことはありません。ちゃんと確認したければ真面目に解けばいいんですが、そこまでやるのは大変です。 -- 前野
- お返事ありがとうございます。 観測者の移動により星の重力場が変わる、というお返事ですが、移動する観測者にとって、空間の曲がり具合が違う(=重力場が併進したり、収縮したりする)のはわかるのですが、その際に星の表面における重力ポテンシャルの深さが変わるでしょうか、変わらないでしょうか、というのが上からの質問の趣旨です。 -- 中村
- あと、パルサーと呼ばれる中性子星のサイズは、シュヴァルツヴァルト半径の倍程度しか無いそうです。相対速度で上記ポテンシャルの深さが変わるなら、中性子性がブラックホールに変わって見える、という速度はそこまで光速に近くないと思われますが、そういった観測者からはパルスが見えなくなる、ということにはならないでしょうか。 -- 中村
- 光が外に出るか出ないか、という明確な違いが、観測者によって異なるなんてことは、起こり得ません。誰か外にいる人(この人は静止しているとする)がパルスを見たら旗を上げる、と決めていたとして、静止している観測者から見たら旗が上がり、運動している観測者から見たら旗が上がらない、なんて不合理なことが起こるはずはないのです。 -- 前野
- お返事ありがとうございます。 直感的にはその通りと思います。ですが、そうなると、運動エネルギーは物質の作る重力場のポテンシャルを変えない、ということになります。そうすると、上に述べたブランコのような状態で矛盾が生じます。たとえば、互いを楕円軌道で回る2連星を考え、この外側に連星の重心を中心とするダイソン球殻(リングワールドでもよい)を作ります。ポテンシャルエネルギーに質量があり、運動エネルギーに質量が無い(重力ポテンシャルの深さを変えない)とすると、球殻上の重力は、連星が近ければ弱く、遠ければ強くなります。そうなると、重力の強いときに発電し、重力の弱いときに揚水する水力発電を考えると、エネルギーの保存則を破ってしまうことになります。いかがでしょうか? -- 中村
- 「運動エネルギーは物質の作る重力場のポテンシャルを変えない、ということになります」←なりません。上でも、変えると私は言ってます。ただ、その変え方が「ブラックホールになるかならないか」を変えるほどのものには決してならない、と言ってるだけです。変えるとなったら必ずブラックホールにならなくてはいけない、と思いこんでませんか? -- 前野
- 「ポテンシャルエネルギーに質量があり、運動エネルギーに質量が無い(重力ポテンシャルの深さを変えない)」←これも、そんなことはありません(と何度も言ってます)。運動エネルギーがあるぶん、外の重力場は変わる、という話は上でも私はしてます。これも単なる思い込みでは?? なお、重力場は変わるけど、それは「ブラックホールになるかならないか」という本質的な変化を起こすほどの変わり方ではない、と言っているのです(いい加減言うのも疲れてきました)。 -- 前野
- ありがとうございます。 結論は以下ということでよいでしょうか。ポテンシャルエネルギーにも質量があり、運動エネルギーにも質量があり、いずれも外の重力場を変えうる。ただし、以下のような計算には誤りがある。:太陽質量の2倍の中性子星の半径は約12km、シュヴァルツシルト半径は約6kmである。中性子性と相対速度が光速度の90%の観測者から見ると、運動エネルギーを含めた質量は2.3倍になるためシュヴァルツシルト半径は約14kmとなり中性子星はこの内側に隠れる。 -- 中村
- もちろん、その最後の文章はダメダメです。 -- 前野
- あと、「運動エネルギーに質量があり」という言葉も実はだめです。「質量」という言葉の定義をちゃんとしないと正しいのかどうかわかりません。相対論でもっともよく使われる質量の定義は「静止質量」に等しくなるような定義なので、その定義では運動しても質量は増えません。 -- 前野
- ありがとうございます。 では、ポテンシャルエネルギーも重力場を作り、運動エネルギーも重力場を作る。となおします。この場合、相対速度が0であれば運動エネルギーの重力を感じることが無いとおもいますので、これは、電荷の周囲の磁場と同様と理解すればよいでしょうか。また、ポテンシャルエネルギーを失うことで失う質量はどこの質量でしょうか。 -- 中村
- 「電荷の周囲の磁場と同様」←動いてないならない、という意味なら、そりゃ運動エネルギーはないんだからないでしょうね。 -- 前野
- 「ポテンシャルエネルギーを失うことで失う質量はどこの質量でしょうか。」←この質問は意味がわかりません。「失う」というのは時間的に変化し減少するという意味ですが、どういう時間変化がおこっている話ですか?それがわからないと意味がわからない。その「失う」課程で外から仕事をされたのかどうかとか、いろいろある。さらに「どこの質量」という意味もよくわからない。どういう系を考えているのかわからないのに(質量というのは系に付属する属性です)、どこの質量と言われてもわかりません。 -- 前野
- 最初の方で、地球上の水力発電所で発電を行いそのエネルギーを系外に捨てる例を上げましたが、この時水がポテンシャルエネルギーを失っています。この際、系全体の質量が軽くなるとご返答いただきました。このとき、地球上の原子、電子その他のすべての粒子数が一定かつ温度変化もない、という場合、系の外にレーザーで捨てたエネルギーに相当する質量はどこの質量でしょうか。 -- 中村共則
- その考えている地球が閉鎖系なら、水が失ったエネルギーは他のもののエネルギーになってます(水温があがっているので水そのものの内部エネルギーになる、ってのが一番大きいか)。外になにかが出ていかない限りは、地球全体のエネルギーは失いません。発電したものを外に捨てるというのが地球外に送電するという意味なら、その分地球全体のエネルギーが減るのは明白です。 -- 前野
- お返事ありがとうございます。私は、この場合、ポテンシャルエネルギーを失った水の静止質量が、ポテンシャルエネルギー分減った(固有時が伸びる分だけ薄まった)というようにイメージしていましたが、このような解釈は誤りでしょうか。 -- 中村
- 水と地球とが互いに相互作用している状況で、水だけの「質量」をどう定義するのかで話が変わってきますが、水がポテンシャルエネルギーを失った分(地球の外から見た)水の質量が減っていると考えることはできます(その分、周りの何かの外から見た質量は増えているかもしれない)。地球上の人が観測する水の質量は変わってない、と考えることもできます(それは観測する人の固有時も変わっているからだ、と解釈することもできる)。 -- 前野
- お返事ありがとうございます。私は、この場合、ポテンシャルエネルギーを失った水の静止質量が、ポテンシャルエネルギー分減った(固有時が伸びる分だけ薄まった)というようにイメージしていましたが、このような解釈は誤りでしょうか。 -- 中村
- すいません。タブの更新で再書き込みをしてしまったようです。 お返事ありがとうございました。 -- 中村
- その後自分なりに考えて以下の結論となりましたが合っていますでしょうか。 時空を曲げるのは4次元空間内における運動量で、静止質量は時間軸に速度cで運動しており運動量mcを持ちこれが空間を曲げる。運動している物体は重くなるが、同時に固有時が短くなるため4次元空間内での運動量は変わらない。このため運動している物体の空間をゆがめる量は観測者との相対速度に寄らない。ただし、空間の歪みもローレンツ収縮するためポテンシャルの傾斜である重力は運動方向に強くなっているように見える。ただ、これも相互作用する距離がその分縮むため運動の軌道に影響を与えない。 -- 中村
- 「時空を曲げるのは運動量」←運動量+エネルギー、このエネルギーは、ポテンシャルエネルギー+運動エネルギー+静止質量をmc2換算したエネルギー -- 素人
- 「静止質量は測度cで運動しており」←静止質量は、静止している物体を動かし始める時の加速のしにくさ。動いて見える物体を更に加速する時の加速のしにくさ、ではありません。静止質量は物体固有の値で、観測者の運動状態によって変わったりしません。物体の加速のしにくさ、は観測者の運動状態によって変わります。観測者から止まって見える時の加速のしにくさ、が静止質量です。 -- 素人
- 地球から地球外へエネルギーを送れば地球の静止質量は減ります。Eのエネルギーを放出すればE/c2だけ静止質量が減ります。地球が作る重力は減ります。 -- 素人
- 静止質量1kgの物体は、それを等速直線運動しながら見る観測者にとって、加速する=「更に速度を上げる、もしくは速度を減速する(マイナスの加速)」のは困難です。動かしにくさが、静止質量1トンの止まって見える物体を、止まった状態から加速し始めるのと同じくらいになったりします。しかし、その等速直線運動する1kgが作る時空の曲がりは、止まっている1kgが作る曲がりと同じです。曲がった図形を動きながら眺めているだけで、図形の曲がりが変わったりはしません。 -- 素人
- 等速直線運動すれば運動エネルギーを持ちますが、その運動エネルギーは重力場を生みません。時空を曲げません。 -- 素人
- 全体が一定の等速直線運動していても時空は曲がらない。全体が均一な加速運動していても時空は曲がらない。場所により異なる加速をするのが重力場。 -- 素人
- 地球が回転すると、場所により異なる速度で動く。この回転の運動エネルギーは重力を生みます。 -- 素人
- 1kgの物体を置いて、その横を猛烈なスピードで通ると、物体は猛烈な運動エネルギーを持ちますが、その物体に向かって周囲の物が重力で吸い寄せられる事はありません。ブラックホールが出現する事はありません。時空の曲がりは1kg相当です。 -- 素人
- 1kgの物体を頭の上に乗せて高速回転させるか、あるいは、観測者が物体の下で高速回転(アイススケートみたいに)すると、1kgの物体がブラックホールになり得ます。 -- 素人
- 止まっている物体の下で高速回転する観測者を外から見ている人にとっては、物体は止まっているのでブラックホールには見えません。観測者が高エネルギーを持って強い重力を発生させている、ように外の人には見えることになります。 -- 素人
「リクエストありましたらどうぞ」という主旨とは離れた投稿が続いてますので、このコメント欄は閉じます。