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2006.4.1

★日本ニセ科学学会がで きるんだそうで。
 現在会員募集中だそうです。日本物理学会がシンポジウムで向き合う姿勢を見せたもんだから、向こうも本気で学会立ち上げた模様。
 私んとこにも「入会しませんか」という案内メールが来ました。なんでも、真面目な講演発表を申し込むと、最終日の最後のセッションに回されてしまうらし いです。








★↑というのは嘘です
 今年のネタはあまり考えてません(^_^;)。そういうわけであまり面白くなかったかも。

★息子のエイプリルフー ル
 子供がサッカーの練習に行ってたのを迎えにいくと、

とーちゃん、友達から千円もろた
なんで??
ぶー、エイプリルフールでしたぁ

とか言いやがるので「もうちょっとネタ考えろ」と説教した。
 「じゃあ、今から家帰ってかーちゃんに嘘つくけど、どんなのがいい?」とか言うので、二人で車の中で相談しつつ、ドライブスルーのマクドで昼飯買って 帰った。息子は考えたネタで嫁はんに挑んだ。

かーちゃん、マクド行ったら、『あなたは100万人めのお客さんで〜す』 とか言ってただにしてくれた
えっ、嘘ぉ!
嘘でしたぁ

 ばらすの早っ。
 もうちょっと話広げればいいのに、と思った。まぁ嫁はんは「どうせなんか嘘つきよるやろ」と思って待ちかまえていたみたいだったが。

2006.4.3

★ああ大間違い
 「光の質量に関するFAQ」の中で、相対論的エネルギー の式が

p2 c2 m2 c4 =E2

となるべきところを間違って、

p2 c2 E2 =m2 c4

と書いてしまっていたことが、広田さんによるご指摘で判明。これだと、m=0にするとpかEが虚数になってしまいますがな(ハラホロヒレ(;_;))。

 なんでこんな間違いを書いてしまったんだか。恥ずかしい話である。広田さんどうもありがとうございました。

2006.4.6

★クイズショー小林問題
 小林泰三さんより、クイズショー問題の解答についてコメントをいただいた(ほんとは昨日 もらったんだけど、昨日は家帰ってきたら爆睡してた)。


Mの行 動について、場合分けをされた時点で正解と言ってもよいと思います。

Mがどのような基準でドアを開けるのかはPにはわからない訳で、それまで含めて、最適な選択を考えなければならなかったのです。

つまり、Pに戦略があるように、Mにもとりうる戦略があった訳です。

Mの戦略は次の2つです。
a. 2度目の選択でPが移動し、なおかつその時点で、Pが「当たり」のドアの前に立っている場合、Pが最初に選択した方のドアを開ける。
b. 2度目の選択でPが移動し、なおかつその時点で、Pが「当たり」のドアの前に立っている場合、Pが最初に選択しなかった方のドアを開ける。

もちろん、「a、bを1/2の確率で選択する」といった混合戦略もありえま すが、その場合の期待値は混合比に応じた平均値になるので、 aとbだけ個別に考えれることにします。

 21日の日記での解答で、α’とα’’と書いているのがa.とb.の各々、ということになる。

PとMの双方が取りうる戦略の組み合わせは、全部で12通りになります。
以下、それぞれの場合での「当たり」の確率を計算してみます。

A-a、A-b
これは簡単。1/4 です。

B-a、B-b
これも簡単。3/4 です。

C-a、C-b
「最初に『当たり』を選んだ場合」と「二度続けて『はずれ』を選ぶ場合」があるので、
1/4 + 3/4 * 1/2 = 5/8

D-a、D-b
最初に「はずれ」を選び、2度目に「当たり」を選ぶ確率なので、
3/4 * 1/2 = 3/8

E-a
最初に「はずれ」を選び、かつ2度目もはずれを選ぶ確率なので、
3/4 * 1/2 = 3/8

E-b
最初に「はずれ」を選ぶ確率なので
3/4

F-a 「最初に『当たり』を選ぶ場合」と「最初に『はずれ』を選び、かつ2度目に『当たり』を選ぶ場合」があるので、
1/4 + 3/4 * 1/2 = 5/8

F-b
最初に「当たり」を選ぶ確率なので、
1/4

これを表にしてみます。

    a    b
A   1/4   1/4
B   3/4   3/4
C   5/8   5/8
D   3/8   3/8
E   3/8   3/4
F   5/8   1/4

Mの戦略がaでもbでも、Bが3/4で最大となります。したがって、PはB 戦略を選択すべきだということになります。

しかし、これでは、ジレンマがなくあまり面白くありませんので、ルールを少し変更することを考えてみました。

1. Pは1つドアを選ぶ。(第1の選択)
2. Mは残り3つの内から1つ、賞品のないドアを開ける。
3. Pはドアを変える機会が与えられる。>必ず変えなくてはならない。(第2の選択)
4. Mは残り2つの内から一つ、賞品のないドアを開ける。
5. Pはドア変える機会を再び与えられる。>変えなくても良い (第3の選択)

こうすると、戦略A、Bはとれなくなります。

表はこうなります。

    a    b
C   5/8   5/8
D   3/8   3/8
E   3/8   3/4
F   5/8   1/4

さて、Pはどのような戦略をとるべきでしょう?

 ちなみに、戦略A〜Fとは、以下の通り。

A. 最初に選択した後、最後までドアを変更しない。
B. 2度目の選択では変更せず、3度目の選択で変更する。
C. 2度目の選択でドアを変更し、Mがどのドアを開けたかに拘わらず、3度目の選択でもドアを変更する。
D. 2度目の選択でドアを変更し、Mがどのドアを開けたかに拘わらず、3度目の選択ではドアを変更しない。
E. 2度目の選択でドアを変更し、Mが最初にPが選択したドアを開けた場合、3度目の選択でドアを変更し、Mが別のドアを開けた場合、ドアを変更しない。
F. 2度目の選択でドアを変更し、Mが最初にPが選択したドアを開けた場合、3度目の選択でドアを変更せず、Mが別のドアを開けた場合、ドアを変更する。

 「二度目の選択」では変更しなくてはいけないというふうにルールが改正されたので(^_^;)、AとBが消えたわけである。しかし変更し なきゃいけないというのがルールだとすると、一回目の選択には意味がないじゃないか、と出題者を責めたくなる状況ではある。
 ルール変更をしない場合、Bが最適戦略になる理由は、Mがドアを開けるたびに最初に選択したドアがあたりである確率がどんどん下がっていくからで、最後 の選択で確率の下がったドアを「捨てる」ことによって逆に当たる確率を上げることができる、という説明ができるだろう。

 さて新ルールでの最適戦略だが、ぱっと見てわかるのは、Mの戦略にかかわらず5/8が確実に取れるCか、Mがbを取った場合は3/4が取れるEか、どっ ちを選択しましょうか、ということになりそうだ。

 というところで長くなったので(と同時に自分がしんどくなったので)また明日。

★娘に3枚カーテン問題 出してみた
 なんせ性格のゆがんだ奴なので「司会者は裏をかこうとするはずだから変えない方がいい」とか明後日の方向へ論理を走らせてばかりいたが、説明してやると 一応「なるほど、100パーセントと50パーセントの戦いになるわけやな」(娘は親としゃべるときは関西弁)と納得した様子。

2006.4.9

★娘に出題
 うちの娘の粒子というのは、子供の頃からどんな遊び道具を与えても、説明書にない遊び方を考案して自分ルールで遊ぶ子供だった。今日もそ ういう点を実感した。

 本屋で算数パズルかなんかの本を立ち読みしてたら、



のようにA地点からB地点へ行く間に河がある時、どんなふうに橋をかければ距離が最短になるか、という問題があった。「おまえならこれどうする?」と粒子 に聞いた。
 ちなみにわしの思う(本にも書いてある)「正解」は、地図を折って



のように直線を引いて、地図を戻した時にその場所が橋の両端になるようにすればいい、というものだった。

 ところが粒子の出した正解は違った。

 答はこっちに。

 うちの娘ってすごい、と親馬鹿なわしは思うのでありました。

★クイズショー小林問題

 考えているが、Mがb戦略をとらざるを得なくするような状況を作れればPはEを取れるんだが、その方法がわかんない。

2006.4.10

★嫁はんの答え
 昨日の問題(ちなみに昨日日付間違えていた。もう直した)、嫁はんはこういう答え出 した。この母にしてこの娘あり。
いや父親の責任も大だが。

2006.4.11

★江藤巌さんの答え
 2日前から続いている橋のお話であるが。

 江藤さんもうちの嫁はんと同じ考えをしたそうなのだが、さらにこういう解もあるというご提案。

横に移 動する橋はどうでしょうか?
つまり川の両岸にレールを敷いて、
川に直角に掛けた橋を平行移動させる。
ABを結ぶ直線と手前の川岸が交わった点で
橋に足を掛け、直線と遠い方の川岸が
交わった点でちょうど橋から足を踏み出すように
歩く速度と橋を同調させて動かせば、
移動量は最小になるんじゃないでしょうか?

 図で書くとこんな感じだ。



 A地点の近くに待ちかまえた橋に人が到着すると、




 橋がこんなふうにずずずいと動いて、



 Bに近いところまで行ったところで人が橋を渡り終える。

 これと同時に逆にBからAに行きたい人がいると、その人にとってはかえって距離が伸びるのが弱点かもしれないが、まぁそれは大事の前の小事というものだ ろう。
そうか?>わし
 しかしこうだとすると、橋を渡っている間は(人間の歩く速度)+(橋の動く速度)になるだけ、橋を渡っている間の人間の移動速度は速くなる。そこで、移 動距離を最適にするのではなく移動時間を最適にするのなら、なるべく早く橋にさしかかりましょうということで、



のような動きをした方がよいかもしれない、と思う。フェルマーの原理にしたがって光が屈折するみたいな話ですな。

 ところでこんなことするならいっそ橋に歩く歩道をつけた方が楽なんじゃないかという突っ込みはもちろんなしである。

2006.4.14

★授業始まる
 というわけで、今日の「初等量子力学」 第1回の講義録はここ
 もう一つ、基礎ゼミも始まった。テキストはちょっと問題減らしただけで、前から使ってたのを使い回し。

 初等量子力学は久々の授業でうきうきしながら1時間半しゃべってたら、後で出してもらった感想に「先生早口すぎます」と書かれてしまった。ごめんね。し ばらく(補習以外は)授業してなかったら禁断症状が出ちゃったのさ。

★今日のヒット賞
 いつも、授業の最後5分ほどは感想を書いてもらっているのだが、今日の感想のヒット賞は、ヤングの実験 の説明のアプレット(下のような図が出る。赤青の 2本線の部分は光の進行方向にアニメーションして進む)を見ての感想に決定。



 ヤングの実験のアニメー ションを見て床屋へ行こうと思いました。

 行ってらっしゃ〜い。


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