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始まる前に、先週の質問の中で「地球上では見かけの力はないのですか?」というのがあったので、「見かけの力としては遠心力とコリオリ力があります」という話をした後、「風呂の水抜いた時にできる渦がコリオリ力のせいだという話があるけど、あれはガセだからねぇ〜〜〜」という話をした。

2.6 2次元の直線座標の間の変換

一つ次元をあげて、2次元空間の場合で考えてみる。2次元、3次元の場合の座標変換の考え方は、いずれ4次元時空での座標変換を考える時のガイドラインになるからである。

二つの空間座標をx,yとすると、x,yに対して別々の平行移動を行う座標変換x'=x-a,~~~ y'=y-b であるとか、それぞれ別の速度でガリレイ変換する座標変換x'=x-v_x t,~~~ y'=y-v_y t などがある。

rotation.png

しかしここまでは1次元の話を重ねているだけで面白味がない。2次元ならではの座標変換は、右の図のような、座標軸の回転である。

\begin{array}{rl}  x'=&\phantom{-}x\cos\theta + y\sin\theta \\  y'=&-x\sin\theta+ y\cos\theta \end{array}

(回転の式)

[問い2-3]右の図に適当に補助線を引くことにより、(回転の式)を図的に示せ。

(回転の式)は、行列を使って

\left(\begin{array}{c}  x'\\y'       \end{array}\right)=\left(\begin{array}{cc}       \cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta				\end{array}\right)\left(\begin{array}{c} x\\y      \end{array}\right)

(回転の式行列版)

と書くこともできる。

gyoretsu.png

行列と列ベクトル*1)が出てくる。

(x,y)=(1,0)という点と、(x,y)=(0,1)という点が(x',y')座標でみるとどう表せるかを考えよう。行列計算で書けば、

\begin{array}{rcl} \left(\begin{array}{c}  \cos\theta\\ -\sin\theta       \end{array}\right)=\left(\begin{array}{cc}       \cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta				\end{array}\right)\left(\begin{array}{c} 1\\0      \end{array}\right)\\ \left(\begin{array}{c}  \sin\theta\\ \cos\theta       \end{array}\right)=\left(\begin{array}{cc}       \cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta				\end{array}\right)\left(\begin{array}{c} 0\\1      \end{array}\right)\end{array}

となる。つまり行列\left(\begin{array}{cc}\cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta\end{array}\right)\left(\begin{array}{c} 1\\0 \end{array}\right)を座標変換した結果の\left(\begin{array}{c} \cos\theta\\ -\sin\theta \end{array}\right)と、\left(\begin{array}{c} 0\\1\end{array}\right)を座標変換した結果である\left(\begin{array}{c}  \sin\theta\\ \cos\theta \end{array}\right)を横に並べて作った行列であると考えることができる。

\left(\begin{array}{c} 1\\0 \end{array}\right)\left(\begin{array}{c} 0\\1 \end{array}\right)は互いに直交し、それ自体の長さは1である。したがって、\left(\begin{array}{c} \cos\theta\\ -\sin\theta \end{array}\right)\left(\begin{array}{c}\sin\theta\\ \cos\theta \end{array}\right)も互いに直交して長さは1である。「長さが1である」という性質や「直交する」という性質はどの座標系で見ても((x,y)座標系でも(x',y')座標系でも)同じだからである。

rotation2.png

回転であるから当然であるが、この式は

(x')^2+(y')^2 = x^2+y^2

(自乗の保存)

を満足する。つまり、原点からの距離(上の式は距離の自乗)はこの変換で保存する。 これを行列で考えよう。まず、

\begin{array}{c}  ( x ~~~y )\\\phantom{(x,y)} \end{array}\left(\begin{array}{c} x\\y      \end{array}\right) = x^2+y^2

のように、行ベクトルと列ベクトルのかけ算という形で距離の自乗を表現する。列ベクトルの座標変換は(回転の式行列版)だったが、行ベクトルの座標変換は

\begin{array}{c}  ( x' ~~~y' )\\\phantom{(x,y)} \end{array}= \begin{array}{c}  ( x ~~~y )\\\phantom{(x,y)} \end{array}\left(\begin{array}{cc}\cos\theta & -\sin\theta \\\sin\theta & \cos\theta\\      \end{array}\right) = \begin{array}{c}  ( x\cos\theta + y\sin\theta ~~~-x\sin\theta + y\cos\theta )\\\phantom{(x,y)} \end{array}

(回転の式列ベクトル版) と書ける。(回転の式行列版)と場合とは行列の並び方が変わっているものになっていることに注意しよう(具体的に行列計算をしてみればこれで正しいことはすぐにわかる)。この、
A= \left(\begin{array}{rl}  a_{11}&a_{12} \\ a_{21} & a_{22}       \end{array}\right)\to A^t= \left(\begin{array}{rl}  a_{11}&a_{21} \\ a_{12} & a_{22}       \end{array}\right)

のような並び替えを「転置(transpose)」と呼び、行列Aの転置はA^tという記号で表す。転置はa_{ij}\to a_{ji}と書くこともできる。a_{ij}とは「i番目の行の、j番目の列の成分」であるから、iとjを入れ替えるということは行番号と列番号を取り替えることである。ゆえに、転置を「行と列を入れ替える」とも表現する。

この式を使って、(x')^2+(y')^2を計算すると、

\begin{array}{c}( x' ~~~y' )\\\phantom{(x,y)} \end{array}\left(\begin{array}{c} x'\\y' \end{array}\right)=\begin{array}{c} ( x ~~~y )\\\phantom{(x,y)} \end{array}\left(\begin{array}{cc}\cos\theta & -\sin\theta \\\sin\theta & \cos\theta\\      \end{array}\right) \left(\begin{array}{cc} \cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta\end{array}\right)\left(\begin{array}{c} x\\y \end{array}\right)

となるが、

\left(\begin{array}{cc}\cos\theta & -\sin\theta \\\sin\theta & \cos\theta\\ \end{array}\right) \left(\begin{array}{cc} \cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta\end{array}\right)=\left(\begin{array}{cc}\cos^2\theta+\sin^2\theta  & \cos\theta\sin\theta-\sin\theta\cos\theta \\\sin\theta\cos\theta-\cos\theta\sin\theta & \sin^2\theta + \cos^2\theta \end{array}\right) =\left(\begin{array}{cc} 1&0 \\0&1 \end{array}\right)

(直交行列の式)

となることを考えると、\begin{array}{c}  ( x' ~~~y' )\\\phantom{(x,y)} \end{array}\left(\begin{array}{c}	     x'\\y'		  \end{array}\right)=\begin{array}{c}  ( x ~~~y )\\\phantom{(x,y)} \end{array}\left(\begin{array}{c} x\\y      \end{array}\right)(すなわち、(x')^2+(y')^2=x^2+y^2になることがわかる。このように必要な部分だけを計算できるのが行列計算のメリットの一つである。

(直交行列の式)が成立することは、直接的計算でももちろんわかるのだが、ベクトルの意味を考えればその意味が明白に理解できる。

matmul.png

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上の図のように、行列のかけ算というのは結局、行ベクトルと列ベクトルの内積の計算を繰り返すものである。そして、\left(\begin{array}{cc}\cos\theta&\sin\theta \\-\sin\theta&\cos\theta\end{array}\right)が「互いに直交して長さが1であるような二つのベクトルを横に並べたもの」であり、\left(\begin{array}{cc}\cos\theta & -\sin\theta \\\sin\theta & \cos\theta\\ \end{array}\right)は同じベクトルを縦に二つ並べたものである。計算の結果1になるのは「自分自身との内積」すなわち「ベクトルの長さの自乗」を計算している部分で、0になる部分は「直交している」というところを計算している部分である。

今の一例に限らず、回転を表すような行列は「互いに直交して長さが1になるベクトルを並べたもの」という性質を持っていなくてはならない。

逆に、(自乗の保存)を満足するような座標変換が

\left(\begin{array}{c} x'\\y' \end{array}\right)=\left(\begin{array}{cc} a_{11} & a_{12}\\a_{21}&a_{22} \\ \end{array}\right)\left(\begin{array}{c} x\\y \end{array}\right)

と書けていたとすると、二つの列ベクトル \left(\begin{array}{c} a_{11}\\a_{21}\end{array}\right), \left(\begin{array}{c} a_{12}\\a_{22}\end{array}\right)は、どちらも長さが1で、互いに直交しなくてはいけない。このような条件を満たしている行列を直交行列といい、Aが直交行列であれば、);A^tA$は単位行列となる*2

rotation3.png

直交行列であれ、というだけの条件では回転の行列になるとは限らない。たとえば、\left(\begin{array}{cc} 1&0\\0&-1\end{array}\right)は直交行列であるが、その物理的内容は回転ではなく、y軸の反転である。直交行列で、かつ行列式が1であるという条件を満たす場合、その行列は回転を表す。

たとえば行列\left(\begin{array}{cc}\cos\theta&\sin\theta \\ \sin\theta & -\cos\theta \end{array}\right)は行列式が-1である。この行列は\left(\begin{array}{cc}\cos\theta&-\sin\theta \\ \sin\theta & \cos\theta\end{array}\right)\left(\begin{array}{cc}1&0 \\0&-1 \end{array}\right)の積であるから、「y軸を反転した後でθだけ回転する」という座標変換を表す行列である。つまり、行列式が-1の場合は座標系の反転が入っている。

テキストではこの後、2.7節「テンソルを使った表現」と2.8節「週末演習問題」があるが、今回計算が続いていい加減だれてきているので、そこは後日ということにして飛ばした。

第3章 電磁気学の相対性

3.1 電磁波は静止できるのか?

前にも書いたが、アインシュタインが後に相対論へと続く道の中で、最初に抱いた疑問は「光の速さで飛ぶと波の形をした静電場や静磁場が見えるんだろうか?」だったと言う話がある。例えばx方向に伝播する電磁波

E_x=E_z=0,E_y=E_0 \sin k(x-ct), B_x=B_y=0,B_z={E_0\over c}\sin k(x-ct)

は真空中のマックスウェル方程式

\begin{array}{cccc} {\rm div} {\vec B}=0 &~~~~ {\rm rot}{\vec E}=-{\partial {\vec B}\over \partial t}&~~~~  {\rm div} {\vec E}=0 &~~~~ {\rm rot}{\vec B}={1\over c^2}{\partial{\vec E}\over \partial t} \\\end{array}

(真空中のマックスウェル方程式)

の解である。

denjiha.png

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図ではロケットで書いたが、アインシュタインは「魔女の箒に乗って」と表現していた。

rotEdS.png

ここで、{\rm rot}\vec Eおよび{\rm rot}\vec Bと電磁波の進行との関係をまとめておく。{\rm rot}\vec Eの物理的意味は、「その地点の周辺で電荷qを、微小な面積\Delta Sをなす周回路で一周させた時、電場がqに対してなす仕事はq\left({\rm rot} \vec E\cdot \Delta \vec S\right)になる」と考えることができる。静電場では、{\rm rot}\vec E=0であるので、この仕事は0になる。ここでもし仕事を得ることができたとすると、同じところを電荷をぐるぐる回すことでどんどんエネルギーを得ることができる。つまり、「静電場では{\rm rot}\vec E=0」というのはエネルギー保存則であると解釈できる。磁場が増加している時は{\rm rot}\vec E=-{\partial\vec B\over \partial t}となる*3

rotE2.png

上の図に書かれている四角の回りに電荷を周回させたとすると電場から仕事をされることになる。それは図の左側の辺と右側の辺で電場の強さが違っていることからわかる(上と下の辺では電場と運動方向が垂直なので仕事は0)。その場所では、磁束密度が増加または減少する。この「電場のrot→磁場の時間変化」という関係と同様に「磁場のrot→電場の時間変化」という関係が成立するので、電場と磁場は空間変動が時間変動を生み、時間変動が空間変動を生むという形で波が進行していく。

DenbaGensui.png

もし、空間に一部に強い電場、周りに弱い電場があるような状態があったとしよう(右図の左側)この空間では{\rm rot} \vec Eが0ではないから、必然的に{\rm rot} \vec E=-{\partial\vec B\over \partial t}にしたがって磁場が発生する。発生する磁場は{\rm rot} Eと逆を向くから、図にあるように、強い電場の周りに渦を巻くような磁場ができる。すると今度は{\rm rot} \vec H={\partial\vec D\over \partial t}にしたがって*4電場が発生するが、この電場は元々あった電場を弱める方向を向いている。

つまり、マックスウェル方程式の中には、一部分だけ電場が強い領域があったら、そこの電場を弱めようとするような性質が隠れている。マックスウェル方程式は空間的変動({\rm rot} \vec Eなど)と時間的変動(-{\partial\vec B\over \partial t}など)を結びつける式になっており、しかもその組み合わせによって空間的な変動を解消しようとする方向へ物理現象が進む(言わば「復元力が発生する」のである)。

弦の振動や、水面にできる波などに関しても、この「空間的変動が時間的変動を生み、空間的変動を解消しようとする」というメカニズムが波を進ませる原動力である。

要は自然界にはアンバランスがあればバランスをとろうとする、ということ。

gen.png

弦の振動の場合を考える。ピンと張られた弦には張力が働いている。張力は常に弦の方向に働く。曲がった状態にある弦の微小部分を考えると、両方からの張力の合力は弦の曲がりを解消しようとする方向に向く。まっすぐな状態になると、弦には全体としては力が働かなくなる。ゆえに、弦はまっすぐになろうとする(つまり「復元力を持つ」)。水面にできる波も同様で、何かの原因で水面に盛り上がったりくぼんだりしている部分があると、盛り上がった部分を下げ、くぼんだ部分を上げるように水が移動する。弦の振動でも水面でも共通する大事なことは「空間的な変化が時間的変化を生む」という物理現象が「波の伝播」という現象を引き起こしているということである。自然界には、何かに不釣り合いがあるとそれを正そうとする力が働くようで、その力により振動や波が発生する。自然界のあちこちで「波」が発生するのはそのおかげである。

すでに述べたように、電磁気についても、同じ原則が成立している。よって、「波の形をしているが振動しない電磁場」というのは、「両端を引っ張られているのに、曲がったままで直線に戻ろうとしない弦」や「一部がいつまでも盛り上がったまま、崩れもしない水面」と同じぐらい不思議な現象なのである。18歳のアインシュタインを悩ませたのも不思議ではない。

さて、光速度で走る人から見た電磁波の問題に戻り、より具体的に「止まった電磁波はあり得ない」ことを確認しておこう。電磁波を速度cで走りながら見たとすると、その観測者にとっての座標系(X,T)は速度cでのガリレイ変換を施した座標系

X=x-ct, T=t

だと考えられる。座標の変換だけを行えばよいのだとすると(つまり、電場や磁場は座標変換しても同じ値を保っているとすると)、この系での電場と磁場は

E_X=E_Z=0,E_Y=E_0 \sin kX, B_X=B_Y=0,B_Z={E_0\over c}\sin kX

となり、波の形をして止まっている電場と磁場が見えるように思われる。しかし、この解はマックスウェル方程式を満たさない。例えば{\rm rot}{\vec E}のZ成分は\partial_X E_Y= kE_0\cos kXとなり、ゼロではない(図に点線で書き込んだ正方形を一周すると、電場は仕事をする!)が、{\partial {\vec B}\over \partial T}=0である。これでは{\rm rot}\vec E= -{\partial \vec B\over \partial t}を満たせないのである。

先走って予告しておくと、こうしてマックスウェル方程式とガリレイ変換の相性が悪く、どっちかを修正しなくてはいけないということになった。検討の結果、修正されるのはガリレイ変換。そしてローレンツ変換ができあがる。

アインシュタインの最初の「光を光速で追いかけるとどうなるか?」という疑問には結局どういう答えが出たのですか?

最終的には、「物体は光の速度に達することはできない」という結果が出ました。ガリレイ変換はダメ、ということになってローレンツ変換が正しいということになったので、今度は普通の力学(ガリレイ変換と相性がいい)も直さなくてはいけなくなり、ニュートン力学も相対論的力学へと変更されるんですが、その変更の課程で「物体を光速まで加速するのには無限のエネルギーが必要だ」ということがわかりました。というわけで、アインシュタインだろうが魔女だろうが、光速で光を追いかけることはできないんです。この話はまたじっくりと。

したがって、マックスウェル方程式かガリレイ変換か、どちらかを修正しない限り、我々のこの宇宙は記述できないことがあきらかになるのである。ではどちらを修正すべきかを考えねばならない。もちろん最終的に決め手となるのは実験なのだが、次の節ではマックスウェル方程式の方に有利な証拠をまず述べよう。

というところで、以降は来週。

学生の感想・コメントから

光速には到達できないという話ですが、どれくらいなら出せるんですか?

人間が、という意味なら、スペースシャトルでも秒速10キロ程度。光速の1万分の1も出ません。電子一個を加速するんなら、光速の99.99999999…%と、光速に限りなく近い(が光速には達しない)速度まで加速できます。

相対論を理解するには電磁気は外せないようですが、電磁気苦手です or マックスウェル方程式なんて忘れました(似たようなの多数)

それはとっても困る。電磁気は物理の基礎ですよ。

座標変換が相対論とどう関係あるのかわからない。

相対論の「相対的」とは「誰が見ても現象は同じ」ということ。この「誰が見ても」という部分を数式でちゃんと追いかけるためのツールが座標変換です。

アインシュタインって天才ですね!(多数)

これだけでも十分天才なんですが、他にも一般相対論、光量子仮説、ブラウン運動、ボース・アインシュタイン統計、アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのパラドックスなど、すごい業績がたくさんあります。

ガリレイ変換って光関係では使えないんですね。

実は光関係に限らず、全ての物理現象で、本来はローレンツ変換を使わなくてはいけません。ただ、ローレンツ変換とガリレイ変換の差は小さいので、その差が無視できる時はガリレイ変換でOKです。

テンソルの出番が去年よりも遅いような気がする。

テキストの並びは一緒なんですが、今回飛ばしましたから。いずれそのうちにやります。

光速に近づけるには無限のエネルギーがいるのなら、光は無限のエネルギーがあるということなのでは?

違います。光は生まれた時から光速なのであって、誰かに加速されて光速になったわけではないので。

行列って今まで何のメリットがあるのかわからなかったけど、もしかして座標変換用に考えられたんですか?

専用というわけではないですが、主な用途ですね。他にも行列が役立つことはありますよ。

光速で運動することができないと聞いてちょっとショックだった。

悲しいけど、これが現実です。

ガリレイ変換のどこが、間違っている要因なのだろうか?

この世の仕組みが、そもそもガリレイ変換的にできていないとしか言いようがないかも。

物理現象がアンバランスを解消しようと動く、というのがなるほど、と思いました。

こうなるのは、マックスウェル方程式の{\rm rot}\vec E=-{\partial\vec B\over\partial t}{\rm rot}\vec H={\partial\vec D\over\partial t}の右辺の片一方にだけ−がついているからなんです。マックスウェル方程式って、ほんとにうまくできてます。

アインシュタイン以外の人はガリレイ変換のおかしさに気づかなかったのか?

いいえ、気づいていたからいろいろと考えたり実験したりしてました。その話もゆっくりやりましょう。

物体を光速で動かすには無限のエネルギーが必要である、とおっしゃってましたが、そういう考えはこの授業でもっと詳しく触れるのでしょうか?

後半で話します。お楽しみに。

量子力学の時に、古典力学は量子力学に含まれるというような理解の仕方をしたのですが、ガリレイ変換もローレンツ変換に含まれますか。

どっちも「○○を近似したものが××である」という形で、含まれます。

回転の式行列版から回転の式列ベクトル版を出す方法がわからない。

わからなかったらその場で質問しないと。普通の式にばらしてみると、同じになることが確認できますよ。

光の質量が0だということは、光がエネルギーのみの存在ということなんですか?

違います。質量というのをどのように定義するかは後で詳しく述べます。そもそもエネルギーというのは物質の持っている属性の一つですから、エネルギーだけの存在なんてものはフィクションの中ならともかく、物理的にあり得ません。

光の質量が0というのが基準であるとしたら、それより軽い質量マイナスのものは存在しますか?

まず、光の質量が0だというのは、基準というのではありません。ちゃんと理由があって0なのです。マイナス質量は、今のところ見つかってません。

風呂の水が完全に静止した状態で栓を抜いた時、渦の巻く方向は人が与えた力の向きや加減で決まるのですか?

それも一つの要素ですが、風呂の桶の形状というのも重要な要素だと思います。

ガリレイ変換が否定されても大丈夫なのですか?

否定と言っても全否定じゃなく、近似としては残るので安心してください。


*1 縦に並んでいるのを「列ベクトル」、横に並んでいるのを「行ベクトル」と呼ぶ。「行」と「列」という漢字には横線2本、縦線2本がそれぞれ含まれているので「縦線が含まれている『列』が縦のベクトル」と覚えておくとよい。}の計算のルールは、左の図である。このルールを(回転の式行列版)に適用すれば、(回転の式
*2 以上で述べたように、行列計算は「座標変換」という幾何学的操作を記述するのに非常に便利な数学ツールである。単に「なんだかめんどくさい計算だな」などと思ってはいけない。むしろめんどくさい計算をいかに楽をしてやるか、そのための道具である。
*3 この場所で電荷を周回させると電荷がエネルギーを得ることができるということになる。しかしもちろん、エネルギー保存則が破れているわけではない。磁束密度を増加させるために投入されているエネルギーの一部が電荷に与えられているだけのことである。
*4 ここでは電流が存在しない場合を考えたので、\vec jの項はなし。

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Last-modified: 2024-01-12 (金) 19:41:46