「よくわかる解析力学」(東京図書)サポート掲示板 †
よくわかる解析力学サポートページに戻る
- mathjaxを使って、TeX形式で数式を打てるようにしてあります。$または$$(もちろんほんとは全角じゃなく半角の「ドル」です)で囲んで入力してください。
- spam避けに、httpを含む文章と、英字のみの文章は登録できなくしてあります。
「サポート掲示板3」が不具合で書き込めなくなりましたので作りました。こちらに書き込んでください。
P204 演習問題8-3の(8.49)について †
Shogo? (2022-08-21 (日) 14:52:04)
(8.49)の導出を教えていただきたいです。8.5ではεを角速度ベクトルのようにみて微小変位と結びつけてパラメータの微小変化を分解していましたが、剛体に固定されたframeの回転の場合はεを何と見ることで(8.49)を導出しているのでしょうか?
- $\epsilon_x,\epsilon_y,\epsilon_z$の意味は(あとで角運動量ベクトルと結びつくことからわかるように)剛体に固定された軸ではなく空間軸$x,y,z$それぞれの周りの微小回転のパラメータであることは同じです。その意味については、ヒントの後半部分に少しだけ書いてあります(パラメータのとり方がちょっと極座標とは違うけど、軸回りの回転を表すパラメータであるには違いない)。 導出の簡単な方法は実は、解答(角運動量の$x,y,z$成分が出てくること)からの逆算です。 -- 前野?
- 図形でどんなxyzの回転がどうなっているかを考えてもでてくるはずですが、説明結構面倒そうです(前にやったことはあるんですがそのメモが出てこない)。 -- 前野?
- わりと簡単に理解できる$\epsilon_{x,y,z}$と$\delta\phi,\delta\theta,\delta\psi$の関係について書いておくと、(8.49)の逆関係として、$ \epsilon_x = \delta \theta \cos \phi +\sin \theta \sin \phi\delta \psi, \epsilon_y = \delta \theta \sin \phi -\sin \theta \cos \phi\delta \psi, \epsilon_z =\delta\phi +\cos \theta \delta\psi$という式があります。 -- 前野?
- この最後の$\epsilon_z =\delta\phi +\cos \theta \delta\psi$は、オイラー角による$z$軸回りの回転が$\phi$の変化と$\psi$の変化$\times \cos\theta$で得られることを示してます。$\phi$の変化が$z$軸回りの回転を生むことはすぐにわかると思います(オイラー角の図を見てください)。$\psi$の変化はもともとの$z$軸から$\theta$傾いた軸の回転になるので、$\cos\theta$が掛かっています。 -- 前野?
- 残念ながら$\epsilon_x,\epsilon_y$の方の説明が単純ではないですが、$\phi=0$の場合、$\phi={\pi\over2}$の場合などを順に考えていくとこの形になるのが理解できるかと思います。 -- 前野?
p224の(q,p+δp)のδtにおける位置の変化について †
Jun? (2022-06-18 (土) 09:40:46)
p+δpのδtの変化ですが、本ではハミルトニアン(δpδtが掛かっている方)の偏微分がqの後pになっていますが、pの後qではないでしょうか。mathjaxの使い方が分からずこのような質問の書き方になりましたが、お願いします。
- よくよく考えてみればこの場合の偏微分は交換しますね。お騒がせしました -- Jun?
第4章 †
SH? (2022-05-25 (水) 10:06:41)
P91のFAQの下の行
- grad(なにか)の「なにか」を求めるのに、なぜ「なにを変分したら-md²x/dt²(t)・δx(t)が出てくるか」を考えるのですか?
最終的なS試({x(*)})は(4.19)だと思うのですが、(4.18)でLとU(x)が出てくるのはなぜでしょうか。
- gradは微分。微分と変分は言葉は違いますが、「ある量を変化させたときにその量に依存する量がどう変化するか」を求めているという意味では、同じ計算です。 -- 前野?
- (4.18)の時間積分が(4.19)、逆にいえば求めたS試である(4.19)は(4.18)という量の時間積分になっているということを示してます。 -- 前野?
- (1)出てくるようにしたいのが『-md²x/dt²(t)・δx(t)』である理由はなんですか。(2)(4.18)の「直前の結果を整理すると」について、p91-93で運動エネルギーにしか触れてないのに、急にLやU(x)が出てくる理由は何でしょうか。 -- SH?
- ああ、Uが出てきたことに関する質問だったんですね。Uに関しては普通の微分で${\mathrm dU\over \mathrm dx}$が出てくるのは(4.5)のあたりでわかっていたので、これにさらに$m{\mathrm d^2 x\over\mathrm dt^2}$も出てくるようにするにはどうすればいいのかな、 -- 前野?
- (4.6)から後の話です。 -- 前野?
- P93の(4.19)から(4.20)が導かれる計算過程を教えていただきたいです。 -- SH?
- オイラー・ラグランジュ方程式そのまんまです。 -- 前野?
- 理解できました。ありがとうございました。 -- SH?
微分の計算について †
大学一年生? (2022-03-29 (火) 03:09:55)
巻末の数学的知識の解説のお陰もあり本書はあまり問題無く読み進められているのですが、もっと初歩的な部分で自分の理解が足りていないと感じたのでこちらにご質問させていただきます。
$f(x(t), t) =X(x(t)) + T(t)$ とするとき、
$$\displaystyle\frac{\partial f}{\partial x} = \displaystyle\frac{\partial X}{\partial x}, \, \displaystyle\frac{\partial f}{\partial t} = \displaystyle\frac{\partial T}{\partial t},$$
$$\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} t} = \displaystyle\frac{\partial X}{\partial x} \, \displaystyle\frac{\mathrm{d} x}{\mathrm{d} t} + \displaystyle\frac{\partial T}{\partial t}$$
であり、$\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} x}$ というものない(そのような量を考えることはない)、という理解は合っていますでしょうか。
同様に、$g(x(t), t) =X(x(t)) \, T(t)$ であった場合には
$$\displaystyle\frac{\partial g}{\partial x} =\displaystyle\frac{\partial X}{\partial x} \, T(t) = \displaystyle\frac{\mathrm{d} X}{\mathrm{d} x} \, T(t),$$
$$\displaystyle\frac{\partial g}{\partial t} =X(x(t)) \, \displaystyle\frac{\partial T}{\partial t} =X(x(t)) \, \displaystyle\frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} t},$$
$$\displaystyle\frac{\mathrm{d} g}{\mathrm{d} t} =\displaystyle\frac{\mathrm{d} X}{\mathrm{d} t} \,T(x) +X(x(t)) \, \displaystyle\frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} t} =\displaystyle\frac{\partial X}{\partial x} \, \displaystyle\frac{\mathrm{d} x}{\mathrm{d} t} \, T(t) +X(x(t)) \, \displaystyle\frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} t}$$
であり、$\displaystyle\frac{\mathrm{d} g}{\mathrm{d} x}$ というものない(そのような量を考えることはない)ということでしょうか。
あるいは、$t \mapsto x(t)$ の逆写像 $x \mapsto t(x)$ を考えて
$$\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} x} = \displaystyle\frac{\mathrm{d} X}{\mathrm{d} x} + \displaystyle\frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} t} \, \frac{\mathrm{d} t}{\mathrm{d} x},$$
$$\displaystyle\frac{\mathrm{d} g}{\mathrm{d} x} = \displaystyle\frac{\mathrm{d} X}{\mathrm{d} x} \, T(t) +X(x(t)) \, \frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} t} \, \frac{\mathrm{d} t}{\mathrm{d} x}$$
のようにするのでしょうか。
また、これまで何冊か大学数学や物理の本を読んできて偏微分は(偏微分する変数以外を定数扱いするため例えば $X(x(t))$ を $t$ で偏微分するときに $x$ は $t$ の式として展開せずに「定数」 $x$ として扱うように)「中身の依存関係まで見に行かない」微分、(全)微分は(例えば $X(x(t))$ を $t$ で全微分するときに $x$ を $t$ の式として展開して微分したように)「中身の依存関係まで見に行く微分」というイメージを抱いているのですが、このような認識を持っていても大丈夫でしょうか。
このイメージのもとでは、上の例では($t$ は $x$ に依存しない量であるため、$t$ を $x$ の式として展開できない、すなわち「中身まで見に行けない」ため)$\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} x}$ や $\displaystyle\frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} x}$ などのような量は考えられないだろうと思いました。
初歩的かつ長い質問で申し訳ありませんが、ご回答いただけると大変幸いに存じます。よろしくお願いいたします。
- すみません。本文が長すぎたのかシステムのバグを踏んでしまったのか、(少なくともこちらの環境では)本文が正常に表示されていません。正しく表示された本文のスクリーンショットをこちらにアップロードいたしましたのでこちらで同じ内容をご確認いただけます(p の前の @ を外してください)。 htt@ps://imgur.com/GZhncrR -- 大学一年生?
- 最初に書いた $f$ の(偏/全)微分に含まれる $\displaystyle\frac{\partial X}{\partial x}$ や $\displaystyle\frac{\partial T}{\partial t}$ はそれぞれ $\displaystyle\frac{\mathrm{d} X}{\mathrm{d} x}, \, \displaystyle\frac{\mathrm{d} T}{\mathrm{d} t}$ のように書けます(直し忘れました)。 -- 大学一年生?
- まず厳密な立場で考えると、$f(x(t),t)$と書いたならそれはもう「$t$の関数」であって「$x,t$の関数」ではありませんから、「${\partial f\over\partial x}$を考えるのは無意味」です。${\partial f\over\partial x}$を考えるのは「$x=x(t)$を代入する前」の段階でのみです。 -- 前野?
- そういう意味で、この状況では「${\mathrm df\over\mathrm dx}$もなければ、${\partial f\over\partial x}$もない」というのが正しいです。 -- 前野?
- ただし、多くの場合「いったん$x$を$t$の関数ではないと考えて、計算終わったあとで$x=x(t)$を代入する」という操作を「暗黙のうちに」やっている場合が多々あります。その場合、「計算途中」として${\partial f\over\partial x}$が出現するわけです。 -- 前野?
- 偏微分は、「何と何を変数にしているか」を変えれば違う結果を出す計算なので、計算の途中で常に「今変数としているのはなにか?」を意識してないといけません。そういう意味で、$f(x(t),t)$と書いたら変数は$t$なので「$x$で微分(全微分も偏微分も)」はないわけです。ただ計算の途中経過として$f(x,t)$を考えることはあるので、あくまでその途中経過の中で「$x$で偏微分」が登場します。 -- 前野?
- なお、$f(x,t(x)$と書ける場合はそう書いてもいいけど、その場合は「$x$の関数」であって、「$t$で微分」はないです。しかし計算の途中経過では出てくることもある。 -- 前野?
- (記法の問題で誤解が生じやすいけれど)数学的には $f(x(t), t)$ という記法はまず $\mathbb{R}^2 \to \mathbb{R}$ の関数 $f(x, t)$ を考えて、後から $x$ と $t$ の関係を持ち出してきて二変数の定義域を $\mathbb{R}^2$ から曲線(変数が増えれば曲面など)$x = x(t)$ に制限している(そのため $L(x(t), \dot{x}(t))$ に対して定義域を $\mathbb{R}^n$ から制限しない段階で $\displaystyle\frac{\partial L}{\partial x}$ などを考えることができる)と考えてよろしいでしょうか。 -- 大学一年生?
- また、本来はきちんと明記するべきですが $\displaystyle\frac{\partial f}{\partial x}, \, \displaystyle\frac{\partial f}{\partial t}$ とあったら $x$ と $t$ の関係を代入する前の二変数関数 $f(x, t)$ について考えていて、$\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} t}$ とあったら $x = x(t)$ を代入して $t$ のみの関数になった $f(x(t), t)$(更に一変数関数らしく書けば $F(t) \equiv f(x(t), t)$ など)を考えていて、(あまり見ないかもしれないけど)$\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} x}$ とあったら $t = t(x)$ という逆対応を代入して $x$ のみの関数になった $f(x, t(x)) \ (\equiv G(x))$ を考えていると思えば誤解は無さそうだというわけですね。 -- 大学一年生?
- そして($x \mapsto t(x)$ の逆対応が無いなどで)$f(x, t)$ を $x$ のみの関数にできない場合には $\displaystyle\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} x}$ をそもそも考えない(ただし偏微分の方は普通に二変数関数のままにして考えられる)ということですね。同じことの復唱のような感じで申し訳ありませんが、このような理解で問題ありませんでしょうか。悩んでいたことが晴れてすっきりしております。ありがとうございます。 -- 大学一年生?
- 「まず〜〜〜を考えて、後から〜」の部分は、別に後から気づくわけではなく$x$が$x(t)$なのは最初からわかっている場合もあるので必ずそうだとは限りませんが、理解としてはそれでいいと思います。また、本来はきちんと明記すべきところをさぼって省略してしまうことが多いのはおっしゃるとおりです。 -- 前野?
- 「まず」「後で」は実際にその間に時間差があるということではなく、比喩的に用いた表現でした。思考が整理されてとても感謝しております。ご回答ありがとうございました。 -- 大学一年生?
これより古い記事は